2025年7月29日、注目のフィンテック企業 SoFi Technologies(ティッカー:SOFI) が2025年第2四半期の決算を発表しました。売上・利益ともに市場予想を大きく上回る過去最高の内容となり、一時は株価が18%近く上昇。しかしその後、市場後半にかけて上昇分を大きく削る展開となりました。
本記事では、好決算のポイントに加え、なぜ株価が下落したのかという投資家にとって重要な視点も交えてわかりやすく解説します。
Q2決算ハイライト:全指標が予想を上回る
指標 | 実績 | 市場予想 | 評価 |
---|---|---|---|
調整後EPS | $0.08 | $0.06 | ◎ 上回る |
収益 | $858M | $804M | ◎ 上回る |
売上成長率 | +44% | — | ◎ 急成長 |
特に個人ローンや住宅ローンの成長が著しく、Fintechサービス全体が堅調に推移しました。
👥 会員・ローン・サービスが揃って拡大
- 会員数: +85万人 → 計1,170万人(前年比 +34%)
- ローン創出: 合計 $8.8B
- 個人ローン:$7.0B(+26%)
- 住宅ローン:+92%(前年比)
- 非利子収益(Fintech/手数料)も大幅増
モバイル完結のデジタルバンキング体験が、若年層に浸透してきたことが業績に反映されています。
セグメント別成長率
セグメント | 成長率 |
---|---|
貸出事業 | +32% |
金融サービス | +106% |
テックプラットフォーム | +15% |
特に金融サービス(SoFi Invest や SoFi Moneyなど)の拡大は、収益源の多様化という点でも評価されています。
通期ガイダンスを上方修正
- 通期収益: $3.375B(前回 $3.31B)
- 通期EPS見通し: $0.31(前回 $0.27〜$0.28)
- 新規会員増加見通し: 年間 +300万人
全体として、「収益性の改善」と「成長の持続性」が見込まれています。
一時+18%の急騰、しかしその後失速
決算発表直後、SoFiの株価は一時25ドル超まで上昇し、前日比で+18%を記録。しかしその後は次第に売りが優勢となり、最終的には上昇幅を大きく削って引ける展開となりました。
なぜ株価は下がったのか?5つの要因
- 1. 「材料出尽くし」感
すでに年初来で大きく上昇していたことから、好決算が「織り込み済み」と見なされ、利確売りが出ました。 - 2. 短期筋の利食い売り
決算ギャンブルで買っていた短期トレーダーの利益確定売りが集中し、需給悪化につながりました。 - 3. マクロ要因(米金利動向)
同日、米長期金利が上昇。Fintech株には逆風となり、リスク回避の動きが出た可能性があります。 - 4. 空売りの買い戻し終了
決算前に高まっていた空売り比率が、好決算で踏み上げられた直後に一巡し、反動的な売りが発生。 - 5. テクニカルな抵抗線
25ドル付近に過去の上値抵抗線があり、利確・戻り売りが出やすい水準だった。
つまり、業績は好調なのに「短期的な需給要因」で下がったというのが実態です。
投資家向けまとめ:株価はむしろチャンスか?
SoFiの2025年Q2決算は数字・ガイダンスともに文句なしの過去最高。市場全体が不安定な中、ここまでの成長を維持できている企業は希少です。
決算後に下落したとはいえ、それはテクニカル・短期需給によるノイズであり、長期視点では絶好の押し目になる可能性も。
- 会員数が急増
- 貸出残高が安定拡大
- 金融サービス事業が急伸
- ガイダンス上方修正
以上の点から、中長期での成長性に疑問の余地はなく、押し目買いを検討する投資家にとって魅力的な局面と言えそうです。
注意
※投資判断は自己責任でお願いします。株価は変動するため、実際のチャートや企業発表を必ず確認してください。
コメント